本書の内容（出版社より）

５０歳を前に病に倒れた著者が、ナチスの強制収容所を生き抜いた精神科医、ヴィクトール・フランクルの言葉に力を与えられ、どのようにして死を乗り越え、生還したのかを語る。フランクルの来日講演録も掲載。

「人間、誰しもアウシュビッツ（苦悩）を持っている。しかし、あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない。あなたを待っている誰かや何かある限り、あなたは生き延びることができるし、自己実現できる」

ーナチスの強制収容所を生き抜いた精神科医

 『夜と霧』の著者　V. E.フランクル博士の言葉

「私は、五十歳を迎えようとしていた頃に、病に倒れた。主治医にも見放された。寝たきりになり、死に直面したとき、私には絶望という言葉しかなかった。唯一、私が生き延びるためには、自己超越せざるを得なかった。しかし、一介の医師でしかない私にそんな力は備わっていないと思われた。けれども、そうした力がなければ、私は死んでいただろう。私にその力を与えてくれたのが、フランクル博士の残した言葉であった―」

目次

まえがき―禍福はあざなえる縄のごとし

第１章　私の奇跡体験とフランクル先生の教え

〇死の淵からの生還―私自身の体験１

〇至高体験とミッションの創造―私自身の体験２

第２章　ヴィクトール・フランクル先生と私

〇自らが生きる主体は「自分」にある

〇ヴィクトール・フランクル先生の生涯

〇実存分析の医学への展開

〇絶望を希望に変える魔法

〇四十にして惑うーフランクル先生からの手紙

〇ウィーンへ

〇絶えず人間を考え続ける

〇ユーモアとしたたかさ

〇フランクル先生との会話

〇「素直で、したたか」な生き様

〇「生命の尊厳」を忘れた現代人

〇地球市民として生きる

〇人間復興の時代

第３章　人生はあなたに絶望していない

―ヴィクトール・フランクル先生来日講演録

〇フランクル先生ご夫妻の来日

〇フロイト、アドラーとの交流

〇強制収容所の経験

〇実存哲学について

〇ローマ法王との出会い

〇精神分析と神の問題

〇自己超越（意味を求めての実存的態度変容）とロゴセラピー（実存分析）

〇人生はあなたに絶望していない―おわりに